新着本案内(8/1~8/14)【随時更新】
■井上ひさし『父と暮せば』新潮文庫(定価:490円+税)
原爆投下から3年後の広島を舞台に、一人だけ生き残ってしまった負い目を抱える娘と、娘の幸せを願う父の物語。作家の井上ひさしがヒロシマとナガサキの惨禍を伝え残すために書いた戯曲です。
図書館の館員である娘・美津江に言った、父・竹造の「人間のかなしいかったこと、たのしいかったこと、それを伝えるんがおまいの仕事じゃろうが。」という言葉は、生き残った人たち、いま生きている私たちに、ヒロシマ・ナガサキを、戦争の記憶を伝え継ぐことへの責任があるということをひしひしと感じさせます。直接戦争を体験した人の声を聞く機会は今後どんどん少なくなり、いつかは完全に「歴史」となるでしょう。戦後80年のいま、ぜひとも触れてみてほしい一冊です。
■加藤休ミ『クレヨンで描いた おいしい魚図鑑』晶文社(定価:1,600円+税)
鮭の塩焼き、焼きたらこ、金目鯛の煮つけ、お寿司たち……。北海道で新鮮な魚をたくさん食べて育った加藤休ミさんが、大人にも子どもにも、もっと魚を楽しんでほしいと、魚が食卓にのぼるまで、おいしい料理となった魚たちを描きました。クレヨンで描いた魚たちだけど、香ばしい匂いまでしてくるようです。
(晶文社HPより)
*【現在開催中】手刺繍作家・ヨシダミキさんによる「ときめきと 思いつきの 刺繍展『私的刺繍』」とぜひあわせてお楽しみください。
■尹雄大(ゆん うんで)/イリナ・グリゴレ『ガラスと雪のように言葉が溶ける ー在日韓国人三世とルーマニア人の往復書簡』大和書房(定価:1,600円+税)
在日韓国人三世であるライター・尹雄大さんとルーマニア人の文化人類学者・イリナ・グリゴレさんが、日本語で交わすそれぞれの「言葉」と「身体」をめぐる往復書簡。
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人類は言葉を使うから優れているという歴史的な勘違いにいつになったら人は気づくのでしょう。静けさの方がずっと大事で人間らしいのに。言葉は祈りと詩、唄のためだけにあるのであって、人間同士のコミュニケーションのためではありません。(ー ガラスと雪のように言葉が溶ける/イリナ・グリゴレ)
もしも私たちが私たちの足元を照らす叡智を知る得るとしたら、沈黙の行いの中にしかないのではないかと思うのです。(ー 目に映るものを超えていく感性/尹雄大)
■ヴィクトール・E・フランクル『夜と霧 新版』みすず書房(定価:1,700円+税)
オーストリアの精神科医ヴィクトール・フランクル(1905-1997)が、みずからの収容所体験を綴っています。原著の初版は1947年、日本語版の初版は1956年。その後、著者が1977年に新たに手を加えた改訂版を出版。世代を超えて読みつがれたいとの願いから生まれたこの新版は、原著1977年版にもとづき、新しく翻訳されたものです。
私とは、私たちの住む社会とは、歴史とは、そして人間とは何か、を考える一冊です。
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わたしたちは、おそらくこれまでどの時代の人間も知らなかった「人間」を知った。では、この人間とはなにものか。人間とは、人間とはなにかをつねに決定する存在だ。人間とは、ガス室を発明した存在だ。しかし同時に、ガス室に入っても毅然として祈りのことばを口にする存在でもあるのだ。(ー本文より)
■『出雲・石見・隠岐 島根方言集成 ー人間愛の言葉ー』ワン・ライン(定価:5,273円+税)
■角野栄子 作/長新太 絵『サラダでげんき』福音館書店(定価:1,200円+税)
■長新太『ながい ながい すべりだい』偕成社(定価:1,400円+税)
■宮野真生子・磯野真穂『急に具合が悪くなる』晶文社(定価:1,600円+税)
■伊藤周平『日本の社会保障』ちくま新書(定価:1,300円+税)
「絵本作家・長新太さん 没後20年哀悼フェア」にあわせた入荷本もございます(再入荷含む)
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